卒塾生の話を取り上げるようになり、
K子ちゃんやM君など、本人自ら動きだした
生徒がいる一方、なかなか動き出せない生徒も
いるのは事実です。
その代表格の一人が8期生のH。
中1の夏に入塾しましたが
宿題を忘れる
小テストの勉強はしてこない
授業中居眠りをする
反抗的な態度をとる
おしゃべりをする
現在、入塾時にこういう生徒は退塾を勧告することが
あると明記している内容はほぼ当時の行動をもとに
決めていると言っても過言ではありません。
今では問題になりそうですが、ゴミ箱蹴飛ばしたり、
カバンを外に放り投げたり・・・と私も毎日のように
怒っていました。
(女子の中にも手のかかる子がいましたし、一番
怖かった時期かもしれません・・・)
私は何度も退塾勧告をたたきつけました。
でも・・・「やめない」と。
私も結局最後はその言葉を信じました。
うちの塾は「縁」「つながり」を大切にする
せいか、妹さん、弟さんの入塾・・・という
ケースが多いのです。
彼も6期生のお姉ちゃん(Cちゃん)がいました。
部活と勉強をしっかり頑張る子で、最終的には
スポーツ推薦で高校に進学しましたが、勉強も
手を抜かず、礼儀正しい子でした。
昨年、Cちゃんには結婚式にも招待いただき、
幸せそうな笑顔を見ることができました。
さらに言えば、Hのお母さまも物腰の柔らかい
本当に優しい方で、ある時期、なかなか生徒が集ま
らないとき(どこから聞きつけたのか)私に
メールをくれ「塾長が困っているなら、
家の近隣にポスティングしますよ」と言って
くださいました。
もちろんそんなことさせるわけにはいきませんから
丁重にお断りしましたが、涙が出ましたね。
あの言葉は一生忘れないでしょうね。
きっと私も無意識のうちにお母さまやお姉ちゃん
の姿が浮かび、放置できなかったのかもしれません。
最終的には私の思いを感じたのか
中3で部活を引退したとたん目の色変えて
勉強するようになりました。
Hの模試の偏差値推移
中1・1月 37
中1・3月 41
中2・8月 38
中2・1月 40
中2・3月 45
中3・7月〜
44→50→55→52→50→57→53→56
結局偏差値を20近く上げたことになります。
彼は仙台東高校から東北学院大に進みました。
大学在学中も勉強とバイトを頑張っており、
ある時バイト先に行って、話をしました。
「おまえ、バイトばっかりやって遊んでるんじゃないのか」
と茶化したら
「いや、全然遊んでないですよ。親にだいぶ迷惑を
かけたので、バイト代はほとんど授業料に充ててます」と。
バイト先でもみんなから信頼されているようで
いい笑顔でした。
現在千葉で大手住宅メーカーの営業をしています。
今年の春に東京に行ったときにHと会いました。
大事なプレゼンを翌日に控えていたにも関わらず、
千葉から駆けつけてくれて、飲みに付き合って
くれました。
彼は車だったので飲めませんでしたが、
仕事のことや当時のことなど懐かしく語りました。
「本当にあの頃はバカでした。塾長には感謝しか
ありません」と。
そして「今日は僕におごらせてください」と
私の支払いをかたくなに断りました。
「やっと念願がかないました。働くようになって
塾長におごることが夢でした」
そんなことを言ってくれました。
最後がっちり握手して再会を誓いました。
人間、先のことはわかりません。
一生変わらないやつもいます。
でも、ちょっとしたきっかけ、ちょっとした
出会いで人は変わる・・・そんなことを感じる
彼との出会いです。
彼はおととしの冬に中3生に話をしてもらいました。
その時に彼が言った言葉
「妥協しても何も変わらないから妥協しない」
そんなことが言えるようになったんだ〜と感心
しきりでした。
posted by じゅくちょー at 08:06|
振り返り