私の中で塾は自分の弱いところを変える
きっかけになる場所だと思っています。
今日は11期生Mちゃんの話。
Mちゃんはあの震災からわずか1か月後、
元気をなくしている娘さんに変わる
きっかけを与えたいという親御さんの
思いで、中1のときに入塾してくれ
ました。
第一印象はまじめそうなおとなしい子。
実際、そうでしたけどね。
うちの塾生、みんなそうですが、入塾して
最初の難関は「課題の多さ」。
けして多すぎるわけではないのですが、
締め切りのある中、自分でスケジュールを
立て、コツコツやっていかなければ終わ
らない量であることは事実。
彼女もいい加減にはできない性格
でも、ハードな吹奏楽部。当時は今より
部活も大変でしたからね。
見ていてもわかるくらいアップアップな
状態でした。
でも人間、慣れていくもので、一時は
嫌になって投げ出してしまうのではない
だろうかと心配になりましたが、
いつの間にか自分で時間をうまく回せる
ようになっていきました。
これが一つ目の変化。
そして、朝・・・
うちの塾生にとって、「朝塾」の活用が
自分を変えるきっかけになるのは
間違いありません。
Mちゃんの親がそもそも早起きだった
ということもあり、特に中3になって
からは毎日、朝塾を活用してくれていました。
そのおかげで、Mちゃんは今でも早起き
の生活を送っているそうです。
Mちゃんのように、うちの塾の朝塾の活用
がきっかけで高校、大学、社会人に
なってからも早起きの生活を送っている子
の話を聞きます。
保護者の方からお話を伺っても、自分の
子どもの悩みの一つに、「朝なかなか
起きないこと」というのがあります。
朝起こすストレスがなくなるだけで、親御
さんの気分も大きく変わっていきます。
とにかく、Mちゃんは朝塾を最大限に
活用し、すっかり朝型人間になりました。
そして彼女の一番の悩み、問題は「数学」。
定期テストではある程度とれても、模試に
なるとなかなか取れない。
本人にも強い苦手意識があるようでした。
ちなみに中3最初の7月模試の数学が36点。
力はあるのになかなか成績が上がってい
かない原因がここにありました。
しかし、彼女はしっかり数学と向き合う
ことを始めました。
結局、苦手なものを苦手なままにするか、
きちんと向き合うかで大きく変わって
きます。
この当時は言ってませんでしたが、いわゆる
苦手教科への「愛」!!!!
これが必要なんでしょうね。
そんなMちゃんの数学の得点は
8月模試 49点
9月模試 54点
10月模試 62点
11月模試 51点
12月模試 54点
1月模試 67点
2月模試 77点
数学を克服したとは言えませんでしたが
彼女なりの努力があり、私が見てても
だいぶできるようになった実感がありました。
でも一番大事なのは、自分と向き合うことが
できるかどうかなんですよね。
彼女は無事、志望校に合格しました。
高校生活も忙しくなる中、
高校に入学した彼女から一つの提案が
ありました。
「朝塾、利用させてください」
彼女は受験終了とともに卒塾しましたが
朝塾は塾生だけでなく、卒塾生も無料で
利用できます。
しかし、高校生で、朝塾を活用する子は
ほとんどいません。
通学に時間がかかったり、あるいは高校も
早く開いているので、学校で勉強できたり
しますからね。
しかし彼女は仙台南高校。
朝8時くらいに出ても余裕で間に合う。
そこに目を付けたのでしょうね。
「毎朝、数学をやりたい」「教えてもらえま
せんか」と。
私は塾では主に中3を教えていて、高校生の
勉強からは遠ざかっていることもあり、
不安はありましたが、彼女の真剣な眼に
了承しました。
学校の課題や予習でわからない問題を
どんどん聞いてきました。
私も高校時代は数学得意の文系だった
ので、ある程度は対応できましたが
忘れているところもあり、難しそうな
問題には前日の夜に写メで送ってもらい
翌朝解説するということをやっていました。
そんな活用していいの?と思われた方も
いるかもしれませんが、塾の活用、
塾長の利用にきまりはありません。
自分がこうしたいと思えば、まずは
言ってみることです。
生徒から熱い思いで頼まれれば、嫌とは
言えません。
なんでもそうですが、やりもしないのに
「無理」と決めつけてしまったり
「きっと〜だろう」と想像して何も行動
しなかったりするのはもったない話です。
Mちゃんの朝の数学タイムは私の日課に
なりました。
高校生の数学は深いですよね。
たまにはすぐに解決できなくて一緒に考え
たり、答えがなくて、自信のないまま
だったら、翌日「あの答えであってました」
と嬉しそうに報告してくれたり・・・。
プチ自慢ですが
私、センター試験(当時は共通一次試験)
で現役の時は数学200点満点
一浪した時は1問ミスの196点だったのです。
併願で受けた法政大学でも数学満点でした。
(得点結果が学校に送られてきた)
あの頃は数学を解くのが楽しくて仕方なかった
感じですね。
(でも理科が苦手なので理系は無理でした)
そんなわけで、昔を思い出しながら一緒に
数学を克服していきました。
その後、彼女は高校で数学が得点源になるほど
数学が得意になりました。
苦手を克服、そしてそれを得意科目にする
努力の結果ですよね。
彼女は現在、横浜の大学に通っています。
今年の成人式の時もそうですが、仙台に
帰省の折には必ず時間を作ってくれます。
大学1,2年生の頃は帰省の時に講師のお手伝い
もしてもらっていました。
今は英語を頑張っているようですが、先日
話したときに「中3の時に塾長からもらった
プリント、今でもとっておいてるんですよ」
と言ってました。
「今更どうすんの?」と聞いたら
「いや、英語のルールとか、高校でも役に
たちましたし、今でも役に立ってます」
という嬉しい言葉をもらいました。
今年の夏は11期生とナイター観戦に行く予定
です。日中、ボウリングでもして、夜は
ボックスシートでビール片手にナイター観戦。
みんな集まってくれるといいな。
苦手なものと向き合い
愛をもって取り組む・・・
これですね。
2019年07月17日
塾で人は変わる〜Mちゃんの場合〜
posted by じゅくちょー at 11:00| 振り返り