2019年08月31日

お役所仕事というけれど

「公務員」と聞くと、堅い、融通が

きかない、「お役所仕事」・・・

そんなマイナスなイメージを持つ方も

いるかもしれませんね。

私も学生の頃は「ぜってえ、公務員に

だけはならない」なんて意地を張ってた

ものでした。

しかし、この仕事をするようになって

様々な届けや相談、税金の納付などで

役所の方、税務署の方とお話する機会が

増えましたが、みなさん本当に優しい方

ばかりで、私のもっていたマイナスな

イメージはすっかりなくなっています。


そんな中でも、私にとって今でも感謝の

思いを持っている方がいます。

うちの塾は16年の間に何度か経営の危機に

見まわれたことがあります。

もちろん、今でも安定してるわけでは

ないですけどね。

今から7年前もその一つ。

震災後、なかなか生徒が集まらず中3が

4月段階で10名にも満たないという時

でした。

全体的にも生徒が集まらず、売り上げが

上がらず、税金も滞納するようになって

しまいました。

当然督促状のようなものも届き、ようやく

窓口にしぶしぶ相談に行くことになりました。

窓口担当の女性Hさんは一見怖そうな

感じで、一方的に「払ってください」と

怒られる覚悟でした。

ところが「まずは現状を教えてください」

とこれまでの経緯を真剣に聞いてください

ました。さらに私がどんな考えで塾をやって

いるか・・・そんなことまで聞いてください

ました。

いろいろ話し終わった後、Hさんが一言

「我妻さんの塾、いい塾ですね・・・」と。

「今は厳しい状況ですが、我妻さんの

思いは届くと思いますよ」と言って

くださいました。

正直私はびっくりしました。



単に「いついつまでにいくら払ってください」

と事務的な手続きをされて終了になる

そんな風に思っていただけに、この対応

は何???

という感じでした。

そして支払い計画も一緒に考えて

くださり、「これからどんなことを

やろうとしてますか」と聞かれた

ので、夏期講習の内容や生徒や保護者

への対応など考えていることをすべて

話しました。

そしたら、「きっと大丈夫ですよ」

と根拠があったのかどうかはともかく

私の考えを後押ししてくださいました。

「当然、みなさんに税金を払っていただ

かなければなりません。でもそれぞれ

事情はあるのはわかっています。それを

踏まえ、一番いい形で払ってもらうのが

私たちの務めです」そんなことを言って

くださいました。

当たり前なのかもしれませんが、追い込ま

れていた私には本当に温かい言葉に

感じました。

その計画ならなんとか払っていけると思い、

「頑張ります」と言ってその場を後に

しました。

夏期講習も終わり、何とか目標の売り上げも

あがり、生徒も増えてきたおかげで、

順調に支払っていくことができました。

その途中にも何度かHさんとお話し、

「どうですか」と聞いてくださり、

私が状況を話すと「よかったですね。

我妻さんの思いが伝わってきましたね」

と私のことを励ましてくださいました。


そして完納の日、いつも通り窓口

行くと、Hさんではない方が出てきました。

春の異動で別の部署に異動になった

とのこと。

私は支払いを済ませたのち、その方に

新しい部署を伺い、そこまで挨拶に

いくことにしました。

異動先は総務系の仕事で来客相手の

部署ではなかったのですが、わざわざ

出てきてくださり、私が無事完納した

旨報告すると、いつも通りの笑顔で

「よかったですね〜。我妻さんには

頑張ってほしいと思ってました。

異動しても気になっていたんですよ。

わざわざ来てださり、ありがとう

ございます」と丁寧に

言ってくださいました。


税金を滞納した、言ってみれば

困ったヤツに対し、ここまで温かい

対応をしてくださることに本当に

驚き、今でも感謝の思いでいっぱい

です。

本当にいい人と出会い、改めて人への

接し方を学んだような気がしています。


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posted by じゅくちょー at 05:00| 日記
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